千年先へ、つなぐ水:袖山浄水場&白川田水源地に潜入取材!

水に感謝する日

毎年6月1日から7日までの1週間は、全国一斉に実施される「水道週間」!🚰💧✨️
この期間は、私たちが当たり前のように使っている水道の仕組みや課題について理解を深め、これからの水道事業を共に考える大切な1週間です。


特に市制施行20周年を迎えた昨年は、例年より規模を拡大し、普段は立ち入りが制限されている水道施設の一般公開が行われました。
今回の「エコノコエ」では、潜入取材の足跡を辿りながら、島の命を支える現場の様子を詳しくお届けします!

宮古島の水はどこから?

宮古島には大きな河川や湖沼がほとんどなく、生活用水のほぼすべてを地下水に頼っていることを知っている人は多いはず。


その秘密は、島の地層構造にあります。 島の表面を覆う「琉球石灰岩」は、隆起サンゴ礁を母岩とする、スポンジのように無数の穴があいた水を通しやすい岩石です。


一方、その下には「島尻層群」という水を通さない泥岩の層が横たわっています。雨水は石灰岩を通り抜けて地下へと溜まり、不透水性の層の上をゆっくりと海へ向かって流れていきます。
この特殊な構造により、島全体が「天然のダム」として機能し、貴重な真水を蓄えてくれているのです。

最新調査で分かった
地下水の複雑な通り道

近年の調査では、この「天然のダム」のさらに詳細な姿が明らかになっています。これまで地下水盆は単純な「すり鉢状」と考えられてきましたが、実際には断層による構造的な段差がいくつも存在しています。


また、地下水は一つの流域に留まるだけでなく、隣接する流域へ「越流」している現象も確認されました。
こうした目に見えない地下の精緻なメカニズムを知ることが、安定した水源確保の第一歩となります。

ろ過を行う袖山浄水場

見学会の最初の舞台は、私たちの蛇口に届く直前の最終工程を担う「袖山浄水場」です。
ここでは、自然界の自浄作用を人工的に再現した「緩速ろ過方式」が採用されています。

(※緩速ろ過方式ー化学薬品をほとんど使用せず、砂層の表面に繁殖する微生物の力(生物ろ過膜)を利用して水をきれいにする浄水処理技術。)


砂の表面には、微生物や藻類が堆積してできた「ろ過膜」と呼ばれる粘り気のある薄い膜があります。
この膜の生物化学的な作用を利用して、ゆっくりと時間をかけて不純物を除去していくのです。

「緩速ろ過方式」により、安全な水が家庭へと運ばれる。


取水から始まり、宮古島特有の水の硬度を下げる「硬度除去」、そしてこの丁寧なろ過と塩素消毒を経て、ようやく安全な水が家庭へと届けられます。
ひとつひとつの工程を直接目にすることで、「見えない不安」は「見える安心」へと変わりました

普段は立ち入りが制限されているため、
貴重な機会!
白川田水源地
島の80%を支える命の源

続いて移動したのは、市内の水道水の約80%を供給する島内最大の湧水拠点、「白川田水源地」です。
ここでは、海へ流れ出す前の貴重な地下水を汲み上げています。特筆すべきは、水源地に併設された「白川田貯水池」の存在。


この貯水池は、異常渇水などの水源環境の変化に備えて水を蓄えており、どんな時も安定して水を供給し続けるためのバックアップの役割を果たしています。広大な地下水流域とこの施設が連携することで、私たちの暮らしは守られているのです🤝

白川田水源地
未来を創る「当事者意識」

宮古島市では、地下水汚染の防止に取り組むため、2011年(平成23年)に「宮古島市地下水保全条例」を制定しています。この条例は、宮古島市の水道水源である地下水を汚染などの危険から守り、将来にわたって市民に安全で安心な水を安定的に供給し続けることを目的としています。

条例では、地下水のかん養に重要な地域を「水源保全地域」として指定し、土地利用の制限や一定の行為に関する届出を義務づけています。また、農薬や化学物質の使用、土木工事、畜産業など、地下水に影響を及ぼす可能性のある行為については、事前届出や必要な制限を設けることで、汚染リスクの低減を図っています。


さらに、地下水の水質や水量について定期的な監視・調査を行い、異常が確認された場合には速やかに対応できる体制を整えています。加えて、地下水保全を進めていくためには、市民や事業者の理解と協力が欠かせないことから、啓発活動やルールの周知も条例の重要な役割として位置づけられています。
しかし、条例というルールだけで水を守り切ることはできません。


宮古島の水道水は、ほぼすべてが地下水という限られた資源に支えられています。
今回の取材を通して感じたのは、私たち一人ひとりが水源を守る「当事者」であるという意識の大切さです。
千年先の未来までこの美しい水をつないでいくために、今日からできること、こころがけることが、今回の取材を通してみえてきました🙏✨️

※ この記事は「島の色」16号 P.26 – 27に掲載

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