「SDGs」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
SDGsとは「持続可能な開発目標」のこと。エコアイランド宮古島宣言には、「宮古島市版SDGs」も位置づけられており、様々な目標にむけて取り組みが行われています。
宮古島は立地の関係や隆起サンゴの島であることから、台風や干ばつを受けやすい厳しい自然環境にあります。そんな宮古島が「持続可能な島づくり」を行ううえでの課題はどのようなものがあるのでしょうか?
1.
「住み続けられる島」を実現するための条件とは
エコアイランド宮古島の大きなテーマは、「いつまでも住み続けられる豊かな島=持続可能な島づくり」です。
宮古島市が考える「住み続けられる島であるための条件」は次のとおり。
- 生活の源となる水を守る
- 自然を守り島の価値を高め、持続的な観光資源を保つ
- 地域内経済をまわすため、地産地消を促進
- 人口減少による地域の衰退を防ぐための、魅力的な仕事がある島へ
地下ダムが建てられたことにより安定的な水を供給できるようになりましたが、その大切な水をいつまでも守り続けなければなりません。
宮古島の主な産業は、さとうきびや葉タバコ、漁や海ブドウなどの農水産業、そして観光業です。
水と自然を守り大切な観光資源を保つことで、島の経済を活性化していく必要があります。それだけではなく、地域内経済をまわしていくための地産地消も強くすすめられています。
さらに、人口減少による地域の衰退も懸念されています。市街地から離れれば離れるほどより顕著になるこの問題。これを防ぐためには雇用の確保が必須。
「魅力的な仕事」があれば、島外に出た若い世代がかえってくる理由になります。
2.
環境モデル都市としての取組
宮古島市は、日本政府より唯一の「環境モデル都市」の認定を受けています。
そして環境モデル都市行動計画では、CO2の削減目標を定めています。
10年後、30年後の目標はこちら。
<CO2の削減目標>
●2030年には37%減
●2050年には69%減
では、持続可能なエネルギー利用の仕組みづくりをすすめるうえで、どのような問題点が挙げられるでしょうか?
考えられる問題点は3つ。
①コストが高い ⇒ 生活への負担
②経済の約97%を島外に依存している ⇒ 地域経済の流出
③燃料高騰の可能性 ⇒ 将来のリスクが高い
この問題点をふまえたうえで宮古島市では、「より安定的でより持続的で低コスト」なエネルギー供給を目指しています。
実際に取り組んでいる、宮古島市の取組事例をご紹介します。
3.
「電気自動車」で生活コストの低減やエコを実現!
1つめは、「電気自動車の普及促進事業」です。
宮古島では、運輸業によるCO2排出、高いガソリンのコストや、台風による災害における停電が課題となっています。その対策となるのが「電気自動車の普及」なのです!
現在は、電気自動車に対する理解促進とコスト効果の明確化、向上に向けて取り組んでいます。また、充電施設の整備や効果的な運用方法を確立するためにさまざまな取組を行っています。
電気自動車が普及されれば、生活コストが低減し、環境にやさしい生活が送れるとったメリットがあります。
4.
エネルギーに頼らない家「エコハウス」
2つ目は、「エコハウスの普及啓発事業」です。
湿度が高く、年間を通して気温の高い沖縄ならではの伝統的な住まいづくりに、太陽熱や遮熱塗料などの環境技術を組み合わせた「蒸暑地域型エコハウス」の見学や体験宿泊を実施しています。
エネルギーを極力使わずに快適な生活を送れるようになる建築技術を、モデルハウスを通じて普及させていきます。
沖縄における省エネ化のポイントは「遮熱、通風、調湿」の3つ。これらを満たすのが「エコハウス」です。
エコハウスが普及することにより、省エネ化がすすみ生活コストの低減も期待されています。
ほかにも、天然ガス利活用推進事業や離島マイクログリッド実証事業、宮古島市全島EMS実証事業などさまざまな取組が行われています。
さらに、「エコアイランド宮古島」としてのブランド化推進事業も継続的にすすめています。
5.
今後の取組み
新型コロナウイルスによる影響は大いにありますが、近年の宮古島はオーバーツーリズムとささやかれるほど観光業が盛んです。
一方で、家賃の高騰や店舗混雑による市民の生活への影響も懸念されています。
この変化を“成長機会”としてとらえ、市民生活を具体的に改善していく必要があります。
●現在すすめているプロジェクトを今後も継続し、さらに発展させる
●地域経済の循環に関する分析・評価を行い、可視化し共有していく
今後は、さらに「市民の暮らし」に視点を置き、「エコアイランド宮古島」をさらに推進していきます。
「宮古島市版SDGsの推進」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
▶エコアイランド宮古島の取り組みについて