今回は2022年『島の色』4号からアーカイブ記事をお届けします!
この記事から4年、みなさまも珊瑚礁や地球温暖化に対する知識を深めていただいているでしょうか?🌎️
再度、あの時の「声」を振り返ってみましょう〜!
サンゴのコエ
青のグラデーションが織りなす宮古ブルーとも評される宮古島の海、シュノーケルやダイビングで潜れば、カラフルなお魚たちに、色とりどりの豊かなサンゴ、宮古島の宝物ですね。
そんな宮古島の海の中でも、池間島の北方にあるサンゴ礁群「八重干瀬」はサンゴや生き物の宝庫で近年、観光客のみなさんにも大人気!でも最近、八重干瀬も環境の変化によりサンゴがめっきり減っていると聞き、サンゴの助けを求める声を聞いた気がしました。
もっと、その声を島の色でお伝えしたいと思い、サンゴの保全活動を始めた※池間八重干瀬会の原慧さんに、エコについて啓蒙活動をしている吉田芹さんをナビゲーターにお迎えして、お話しを伺いました。

※池間八重干瀬会
主に池間島のダイビングショップが加盟する団体で、漁協や宮古島の他のダイビング団体と共に、サンゴの天敵あるオニヒトデの駆除や、海底の清掃など、宮古島の海を守る活動をしている。
またダイビングの際に船を固定するときに、サンゴに傷をつけないよう、水中ブイの設置や水難救助の訓練などもしている。
今、動く時
原さん:
2016年は、全然台風が来なくて、海水温が上昇し、八重干瀬のサンゴが白化していく様子を目の当たりにして、これは何とかしなければと思いました。
そんな折、恩納村や石垣島でのサンゴ再生の取り組みの話を聞き、興味を持っていたことと、また県の水産課の職員と話す機会があり、その時に、八重干瀬のサンゴの状況をご説明する中で、このままではどんどん白化していく、八重干瀬のサンゴを少しでも再生させていかなければということで一致し、サンゴ再生のプロジェクトに向け、計画が立ち上がりました。サンゴ再生のハードルが高いことは分かっていますが、座していては始まりません。
今年度は、県からの委託事業としてスタートし、来年度以降は、池間八重干瀬会で事業を継続していけるよう取り組む予定です。



持続的な活動に向けて
原さん:
池間周辺から卵を蓄えたサンゴ(ヤッコミドリイシ)を採集し、狩俣の宮古島市海業センターに移植します。その後、産卵を誘発させ、採卵し、着床具に着生、この着床具を池間島周辺の海に移設する予定です。
そして、月1~2回ぐらいのペースで、藻の掃除などを行い、ある程度の大きさになったら、本移植します。
吉田さん:
サンゴの産卵、わくわくしますね!産卵させるサンゴはどのように選ぶんですか?
原さん‥
サンゴの産卵は、月の満ち引きが大きく関係し、多くのサンゴは年に1回、満月の前後に産卵します。
しかし、いつの満月に産卵するのかは、サンゴの種類・サンゴの生育地域・その年の天候によって変わるので、産卵日を正確に予想するのはとても難しく、またサンゴの赤ちゃんを移設する場所選びも、その後の成長に大きく影響するため、とても重要です。今年度は、鈴木さんというサンゴ再生スペシャリストの先生をお招きし勉強して、来年度以降は、私たち池間八重干瀬会が引き継ぐ予定です。そのための体制づくりもしていきます。
私たちでもできること
原さん:
サンゴ死滅の原因は、地球温暖化による異常気象が大きいと考えられますが、私たちは、それ以外の人的ダメージを最小限にすることを目標に日々取り組んでいます。例えば、日焼け止めをつけて、肌を露出しながら海に潜ってしまうと、有害な日焼け止めの成分が海に流れ出し、ダメージを与えてしまいます。それを最小限に防ぐため、サンゴに優しい日焼け止めを使用したり、ウェットスーツやラッシュガードを着用することなどを推奨しています。

吉田さん:
私はイベント企画や、学校で出前授業をやっているので、八重干瀬会の取り組みもご紹介し広く発信したいですね。他にもエコに関わる素敵な取り組みをされている方達が増えてきているので連携して、美しい自然を残していけたらよいですね。
声無き声に耳を
八重干瀬が、原さんを通じて、声無き声をあげているように感じました。ここ数年で、八重干瀬を訪れる人が激増したと聞きます。サンゴ再生は大きな課題ですが、私たちでも再生に向けて出来ることがあると分かりました。宮古島の自慢の海をみんなで守っていきしょう!